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EENT

「航海薄明」に浮かび上がる視線
「航海薄明」に浮かび上がる視線

本展覧会のタイトルにある「EENT」という言葉は、「End Evening Nautical Twilight」の 直訳で「航海薄明」、いわゆる空が薄明るい・薄暗いタイミングを示しています。

築山は、この言葉をスナイパーが目視観測可能な限界の明るさ『こちらからは標的を認識できるが標的からはこちらを認識できないことで標的を狙う際の絶好のタイミング』として扱っている点に注目し、超望遠レンズを使用した風景写真とセルフポートレートで構成された新作を発表します。

 

村田は、近作において光学的な現象を取り込むことで複数の視界や異なるスケールの間を跳躍することを試みていました。今作では薄明の中で際が欠け、柔らかい光が回り込む中で、プリントに落ちる影やそこに写り込むイメージがどのような関係を結ぶのかを想像します。

 

高橋は、幼少期に捉えたある目線にまつわる作品を発表します。 乗馬した母親に抱かれながら見た朧げな阿蘇山の景色が、幼くまだ曖昧だった世界との間にもう一つの焦点を与えてくれたといいます。高橋はそれを自身の身体を再定義する馬の目線として考え、作品へと展開します。

 

このように3人の作家は視線をめぐる問題意識を持ち、それぞれが何か別の視線を投影し作品を制作するところで共通しています。 本展覧会ではそれらの視線を「航海薄明」の中に浮かび上がらせます。

Artworks

1. Rintaro Takahashi

Drawings

Paper, Lead Oil pastel 2023

3. Shota Tsukiyama

End Evening Nautical Twilight (orange spotter #001~004) 

Digital Pigment Print 2023

8. Shota Tsukiyama

Wrapped in the scent of dry grass. (objet s. #001) 

 

Digital Pigment Print 2023 

9. Kei Murata

Still life#3

Digital Pigment Print 2023

10. Kei Murata

Still life#2

Digital Pigment Print 2023

11. Kei Murata

Still life#1

Digital Pigment Print 2023
Installation view
1
5
Photo|Kohei Omachi
Photo|Kohei Omachi
Photo|Kohei Omachi
Photo|Kohei Omachi
Photo|Kohei Omachi
Profile
Kei Murata
Kei Murata
村田啓
Photographer
村田啓
Photographer

1990年新潟県生まれ。現在東京を拠点に活動。2016年東京藝術大学大学院美術研究科絵画油画専攻修了。視覚やスケールの変容への興味を基とした写真や映像を用いた作品制作のほか、ミュージシャンやファッションブランドとの協働などを行っている。主な展覧会に、「between / of」(The 5th Floor, 東京, 2022)、「So long so far」(People, 東京, 2022)、「5 holes are sunlit」(Token art center, 東京, 2021)など。主な受賞歴に「VOCA展2022」入選、「Tokyo Frontline Photo Award 2020」大山光平賞・川島崇志賞、「群馬青年ビエンナーレ2019」入選。

Rintaro Takahashi
Rintaro Takahashi
高橋臨太郎
Artist
高橋臨太郎
Artist

1991年東京都生まれ。2021年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。自身の身体によって環境に働きかけるパフォーマンスや、立体、映像、インスタレーションなどをメディアに、物質や身体に限界までエネルギーを加え「変化する意識」について思考する。主な展覧会として、「スケールヒア」(BLOCK HOUSE、東京、2019)、「Drone Drome」( Token Art Center , 東京, 2020)、「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2020」(岐阜県美術館, 岐阜, 2020)、「東京ドームシティアートプロジェクト」(東京ドームシティ, 東京, 2022)など。主な受賞歴に「清流の国ぎふ芸術祭2020」 川口隆夫賞、がある。

Shota Tsukiyama
Shota Tsukiyama
築山礁太
Photographer
築山礁太
Photographer
写真家。1997年東京生まれ。2019年日本写真芸術専門学校卒業。見ることへの関心から、道具(カメラ)によって新たに獲得できた視覚や自身の置かれる役割、知識、身体性などによって獲得する視覚について、平面や立体を扱いながら写真作品として展開している。近年は狙撃と撮影の親和性をもとに、狙撃手と観測手が目標に対して行う観測、偵察、リサーチや戦術、偽装工作、カムフラージュなどの所作を撮影前後の過程で取り入れることにより、新たな視覚イメージの獲得を試みた作品制作をしている。主な展覧会として、「ENCOUNTERS」(ANB TOKYO, 東京, 2020) 、「constellation #02」(rin art association, 高崎, 2021)、「P.O.N.D」 (PARCO MUSEUM TOKYO, 東京, 2021) 、「YAU TEN」(YAU STUDIO, 東京, 2022) 、「窓の中の言葉について」(NADiff Window Gallery & MIDORI.so Bakuroyokoyama, 東京, 2022)、「EENT」(POST-FAKE projects, 東京, 2023)、「ATAMI ART GRANT 2023」(ATAMIX, 熱海, 2023)がある。   Photo|Self-Portrait
List
  • 1

    Rintaro Takahashi

    Drawings

  • 2

    Rintaro Takahashi

    Revolta hello

  • 3

    Shota Tsukiyama

    End Evening Nautical Twilight (orange spotter #001~004)

  • 4

    Rintaro Takahashi 

    Aurora Hey

  • 5

    Rintaro Takahashi 

    Aurora Hey

  • 6

    Kei Murata

    Shadow casting

  • 7

    Rintaro Takahashi

    Revolta Hello

  • 8

    Shota Tsukiyama
    Wrapped in the scent of dry grass. (objet s. #001)

  • 9

    Kei Murata
    Still life #3

  • 10

    Kei Murata
    Still life #2

  • 11

    Kei Murata
    Still life #1

  • 12

    Shota Tsukiyama
    End Evening Nautical Twilight (orange spotter #001)

  • 13

    Shota Tsukiyama
    End Evening Nautical Twilight (orange spotter #002)

  • 14

    Shota Tsukiyama
    End Evening Nautical Twilight (orange spotter #003)

  • 15

    Shota Tsukiyama
    End Evening Nautical Twilight (orange spotter #004)

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